あなたは今、どんなシャンプーを使っていますか?
シャンプーを選ぶとき、どんな基準で選んでいるのでしょうか?
それは使い心地だったり、香りだったり、値段だったり、広告に惹かれたり・・・選んだ理由はさまざまではないでしょうか。
でも、髪や地肌のことを考えると、そのような選び方で良いのでしょうか?
ここで改めて、自分自身の髪にあったシャンプーの選び方を考えてみませんか?
それでは、シャンプーの選び方について詳しく見ていきましょう!
敏感肌や乾燥肌、アトピーの人におすすめ!
アミノ酸系シャンプー
肌や髪など、私たちの体を形作っているものがたんぱく質。そのたんぱく質の元となるのがアミノ酸です。
そのアミノ酸で界面活性剤を作ったのが、アミノ酸系シャンプーです。
髪や肌を構成する成分で洗うので、刺激が少なくて肌に優しいのが特徴です。
一般的なシャンプー(高級アルコール系シャンプー)は洗浄力が強すぎて、肌を保護するのに必要な皮脂まで洗い流してしまいます。
これは乾燥の原因になるほか、さまざまな肌トラブルを引き起こす要因になります。
また、強すぎる洗浄力から髪や地肌を守るため、シリコンなどのコーティング剤が配合されている場合もあります。
シリコンなどのコーティング剤は髪や地肌を覆うことで、強すぎる界面活性剤の刺激から髪や地肌を守る役割があります。ただ、毛穴までコーティングしてしまい、毛穴詰まりを引き起こす可能性があります。
その場合、かえって抜け毛や頭皮のかゆみなどのトラブルを引き起こすおそれもあります。
こういったシャンプーは、肌の弱い方はあまり使わない方がいいといえます。
その点、アミノ酸系シャンプーは洗浄力が弱く、乾燥肌や敏感肌の人はもとよりアトピー性皮膚炎の人でも安心して使用できます。髪のパサつきを抑え、しっとりとした感じに仕上がります。髪と同じ成分で洗うので、傷んだ髪の修復効果もあります。
今までいろいろな髪や地肌のトラブルで悩んでいた方には、アミノ酸系シャンプーがぴったりです。
ただ、優しい洗浄力は一方でデメリットにもなります。整髪料などの成分や汚れなどしっかり落とせないなどの不満を感じることが多いかもしれません。
優しい洗浄力をカバーするために、二度洗いをすることや丁寧なシャンプーで汚れをできるだけ落とすようにするなどで、何とかすることができます。
丁寧なシャンプーのポイント!
丁寧なシャンプーのポイントを簡単にまとめると、以下の手順でやることです。
・洗う前にブラッシング
・髪のほつれをとり、汚れも取り除く
・40度以下の温めのお湯を丁寧にかける
・しっかりと泡立てたシャンプーで、地肌を丁寧に洗う
・温めのお湯でしっかりすすぐ
シャンプーの仕方の記事は、「美容師もおすすめ! 正しいシャンプーのやり方とは?」もありますので、参考にして見てくださいね!
また、アミノ酸系シャンプーは、天然由来の成分で作られているため、生分解性も高く自然にも優しいシャンプーです。髪にも頭皮にも自然にも優しいシャンプーを是非使ってみてはいかがでしょうか?
アミノ酸系シャンプーについて、より詳しくご紹介した記事、「敏感肌に悩む人にもおすすめ! 髪と地肌に優しいアミノ酸系シャンプーとは?」も是非、参考にして見てくださいね!
オイリーな方におすすめ!石けんシャンプー
アミノ酸系シャンプーはしっとりと洗い上げるため、重く感じる方もいるでしょう。そういう方にはすっきりと洗い上げる石けんシャンプーがおすすめです。
最初に誕生したシャンプーは、この「石けんシャンプー」でした。石けんは動植物の油脂をアルカリ化することによって作られます。
市販の石けんシャンプーはヤシ油、オリーブ油、コメ油、ツバキ油など植物性の油脂で作られることが多いようです。もちろん動物性の牛脂や馬油からも作ることができますし、そういったシャンプーも売られています。
石けんシャンプーはアルカリ性です。私たちの皮膚は弱酸性ですが、アルカリ性の石けんシャンプーで洗うと、一時的に頭髪もアルカリ性になります。
そのままにしておいても、時間が経てば弱酸性に戻りますが、髪がきしむ原因にもなるので、酸性のリンスで中和します。
石けん専用のリンスであれば、メーカーが違っても効果は変わらないので使うことができます。クエン酸や食酢などを使って手作りすることもできます。
一時的であるにしろ、頭髪をアルカリ性に変化させるため、敏感肌やアトピー性皮膚炎の人が石けんシャンプーを使うときは注意が必要です。
このような肌質の人は、アルカリから弱酸性に戻る時間も多めにかかるので、リンスでの中和を怠るとトラブルが起こりやすくなります。
このような肌質の人は、できればアミノ酸系シャンプーをお使いになることをおすすめします。
また、石けんシャンプーはカラーの退色が早くなるので、カラーリングをしている人にも向いていません。
それでは、石けんシャンプーにはどんなメリットがあるのでしょうか?
石鹸シャンプーのメリット
一番のメリットは、皮脂汚れに強いこと。頭髪がベタベタしがちな人には特におすすめです。
すっきりと洗い上げるので、アミノ酸系シャンプーに物足りなさを感じていた方にぴったりです。
石けんカスが気になる人もいるかもしれませんが、アミノ酸系シャンプーと同じように丁寧にすすぐことを心がければ、石けんカスによるトラブルも防止できます。
そして何より自然に優しいこと。天然素材であるため、自然に帰る力が強いので、安心して使うことができます。
また、自分好みにカスタマイズすることもできるのも大きな魅力です。
それこそ石けんから手作りする本格派もいますが、もっと簡単にオリジナルシャンプーを作ることもできます。
市販の液体石けんに、ハーブやアロマオイル、蜂蜜などを加えて混ぜるだけ。
本やネットでいろいろなレシピがあります。興味があればオリジナルシャンプーを作ってみるのもいいかもしれません。
更にこだわりたい人へのおすすめは?
オーガニックシャンプー
シャンプーには「オーガニックシャンプー」と呼ばれるものがあります。
オーガニックシャンプーとは、有機栽培された素材を使ったシャンプーです。こだわりを持って育てられた素材を使った、自然にも優しいシャンプーです。
アミノ酸系シャンプーや石けんシャンプーをベースに、オーガニック素材を加えて作られているものが主流です。
ただし、オーガニックシャンプーを選ぶときには注意が必要です。
日本では、食品に関しては「オーガニック」に対する規定があり、名乗るには決められた基準をクリアしなければなりません。
しかし、残念ながらシャンプーなど食品以外の製品には国が定めた基準がなく、「有機栽培している」と称した材料が入ってればオーガニックシャンプーと名乗ることが可能です。
そのため、高級アルコール系の界面活性剤を使ってオーガニックシャンプーを作っても法的には全く問題ありません。
しかし、消費者の側からすれば、頭髪にも自然にも優しいシャンプーを求めているわけですから大問題です。
ちゃんとしたオーガニックシャンプーを選ぶためには、成分表示を見ることをおすすめします。
例えば、「硫酸」と名がつく成分があれば、それは間違いなく高級アルコール系の界面活性剤を使っています。
また、成分表示は含有量が多い物が上に記載されるようになっているので、オーガニック素材が上にあればあるほど、オーガニック成分がしっかりと含まれていることがわかります。
もう一つの方法としてCOSMOS(コスモス)の認証があるかどうかを見るというのもあります。
「COSMOS(コスモス)」は、ドイツ(BDIH)・フランス(COSMEBIOとECOCERT)・イタリア(ICEA)・イギリス(英国土壌協会)の4カ国5団体で作られた国際NPO団体で、オーガニックコスメの基準を作り、それをクリアした製品に認証を与えています。
コスモス認証のシャンプーがオススメ!
コスモスオーガニックは、
▫️原材料は自然材料(水、ミネラル、農産業経済料)を極力使用すること
▫️農業系材料のうち、最低95%の材料をオーガニックなものにしなくてはならない。また遺伝子組み換えを行ったものは使ってはいけない
▫️最低でも完成製品の20%はオーガニックにしなくてはいけない。ただしシャンプー、コンディショナー、液体ボディソープなど使った物洗い流す「リンスオフ商品」は10%以上とする
▫️水やミネラルはオーガニックに含まれない
▫️石油化学系の成分や触媒、溶媒を使用してはならない
などの厳しい基準が設けられており、日本国内でもこれをクリアして認証を受けた製品がいくつか発売されています。
ちゃんとした基準をクリアしたシャンプーを使いたいとお考えの方には、このコスモス認証のシャンプーをおすすめします。
前述したように、オーガニックシャンプーにはアミノ酸系と石けん系があります。どちらがいいかは好みや肌質・髪質によって変わってきます。
また、いくら素材がいいからとはいえ、アレルギーなどでトラブルが起こる可能性もないとは言えません。
価格的にも一番高価なものであるので、しっかりと選んで使っていただきたいシャンプーです。高価な分、納得の効果も得られます。
自分の髪をもっときれいに保ちたいとお考えでしたら、是非使ってみてはいかがでしょうか?
オーガニックシャンプーについて、より詳しく紹介した記事、「髪にも環境にもいいオーガニックシャンプーとは? オーガニックシャンプーの選び方」も是非、参考にして見てくださいね!
高級アルコール系シャンプーとは?
おすすめできない理由とは?
国内で一番流通しているのが高級アルコール系シャンプーです。しかし、ある意味一番「嫌われている」ともいえます。どうしてでしょうか?
まず高級アルコール系シャンプーという名前ですが、別に質のいいアルコールを使っているわけではありません。
有機化学では、「分子中の炭素の数が多い」ものを「高級」と呼んでいるため、このような名称になっているのです。
炭素の含有が多いと、泡立ちも良く洗浄力の高い界面活性剤を作ることができるので、含有量の多い「高級アルコール」を使ってシャンプーが作られるのです。
以前は石油系と呼ばれていましたが、石油以外でも作られているのでこのような呼び名になりました。
環境への負担が大きいイメージがありますが、実は洗濯用洗剤より生分解性は高く環境毒性もそんなに高くはありません。もっともアミノ酸系や石けんに比べると劣るのも事実です。
高級アルコール系シャンプーの大きな特徴は洗浄力の強さです。また、価格も安く手ごろな価格で購入できます。
コストパフォーマンスでも一番だと言えます。
戦後、シャンプーの習慣が一般的になったのも、高級アルコール系シャンプーのコストパフォーマンスのおかげとも言えます。
しかし、この洗浄力の強さが一番の問題でもあります。
前述しましたが、強すぎる洗浄力は頭皮を守る皮脂まで洗い流してしまうので、乾燥やかゆみなど髪のトラブルを起こしやすいということでもあります。
この強い洗浄力から頭皮を守るためにシリコンなどのコーティング剤が添加されているものもあります。しかし、守るためのコーティング剤がかえってトラブルを引き起こすこともあります。
例えばシリコンは髪や頭皮を覆うので、強い洗浄力からは守ってくれます。
しかし、毛穴まで覆ってしまうので毛穴詰まりを引き起こし、逆にかゆみや抜け毛などのトラブルを引き起こすことあるのです。
髪を大切にしたい、きれいな髪を保ちたいと考えれば、当然「選ぶべきではない」のが、この高級アルコール系シャンプーだと言えます。
いつまでも美髪でいるために
きれいな髪、トラブルのない頭皮でいるために必要なことはまず「自分にあった洗浄力」があるシャンプーを選ぶことです。
もう一つ大切なのは髪質に合ったシャンプーを選ぶこと。
髪質は年齢とともに変化していきます。また、体調によっても変わってきます。疲れていたり、ホルモンバランスが崩れていたりすると髪質も悪くなり抜け毛も多くなります。
髪質を良くするために、良質のオーガニック素材がたっぷり入ったオーガニックシャンプーを集中的に使ってみたり、調子のいいときはグレードを下げてシンプルな物を使ってみたりと、その時その時の調子に合わせてシャンプーを変えてみるのも一つの方法でしょう。
逆に自分にぴったりの「運命のシャンプー」に出会ったら、ずっと使いづけていてもいいのです。
おわりに
どんなシャンプーを選んでも、共通して気をつけていただきたいのはしっかりと泡立てて、ぬるま湯でしっかりとすすぐこと。
泡は汚れを吸着するだけでなく摩擦から髪を保護する役割もあります。
また、頭皮や髪にシャンプーや汚れが残っているとトラブルが起こる可能性もあります。
ちょっとした気遣いで、髪質もぐっと変わります。そんなに難しくはないことなので、是非、実践してみてはいかがでしょうか?